けん引免許の完全ガイド|費用・難易度・一発試験との違い・合格のコツ(2025年版)
けん引免許は、トレーラーやキャリアカーなど、車両をけん引して走るために必要な免許です。
トレーラータイプの大型貨物、車両運搬車、ボートトレーラー、キャンピングトレーラーなど、
普通免許だけでは運転できない範囲をカバーすることができます。
このページでは、けん引免許の取得条件・費用・難易度から、
教習所ルートと一発試験の違い、方向変換やS字といった技能試験のポイントまで、
初めての方にも分かりやすく解説します。
けん引免許とは?運転できる車両と「要・不要」の境目
けん引免許は、「けん引する側の車」ではなく「けん引される側の車(被けん引車)」の重さによって必要かどうかが決まります。
- 自動車キャンピングトレーラー
- 車両運搬用のトレーラー(キャリアカー)
- ボート・ジェットスキー用トレーラー
- 工事用・重機運搬用トレーラー など
逆に、被けん引車の重量が750Kg以下であれば、普通免許のままでもけん引できます。また、ロープやクレーンでけん引する場合もけん引免許は不要です。
「このトレーラーはけん引免許が必要なのか?」と迷ったときは、被けん引車の最大重量を確認するのがポイントです。
けん引免許の取得条件
けん引免許の主な受験資格は次のとおりです(2025年時点の一般的な目安)。
- 年齢:18歳以上
- 所持免許:普通免許・準中型免許・中型免許・大型免許など、いずれかを所持していること
- 視力:両眼で0.8以上、かつ片眼でそれぞれ0.5以上(メガネ・コンタクト使用可)
- 視野・色彩識別・聴力:通常の運転免許と同等の基準
大型・中型などの「車両そのものの大きさ」に関わる免許と違い、けん引免許は
「被けん引車の大きさに応じて必要になるプラスアルファの免許」という位置づけです。
けん引免許取得までの流れ
けん引免許も、教習所で取る方法と運転免許試験場での一発試験の2パターンがあります。
教習所で取得する場合
- 教習所に入校申し込み
- 適性検査(視力など)
- 技能教習(場内コースでのバック・方向変換・S字など)
- 卒業検定(場内での最終チェック)
- 運転免許試験場での手続き → 免許交付
けん引免許は学科教習がほとんどなく、技能メインなのが特徴です。
その分、「トレーラーの動きに慣れるまでが勝負」と言えます。
一発試験で取得する場合
教習所に通わず、運転免許試験場に直接申し込んで技能試験を受ける「一発試験」というルートもあります。
費用は抑えられますが、試験の難易度が高く、合格までに複数回チャレンジする人が多いのが実情です。
けん引免許の費用相場と期間
教習所で取得する場合の料金と期間の目安は、次のようなイメージです。
| プラン | 費用の目安 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 通学プラン | 約10〜20万円 | 1〜3週間程度(通い方次第) |
| 合宿プラン | 約15〜25万円 | 最短5〜10日前後 |
| 一発試験 | 受験料+講習料など実費のみ | 合格までの回数によって大きく変動 |
けん引免許は他の大型系免許に比べると、比較的短期間&低コストで取得できることが多いです。
ただし、合宿・通学・一発試験のどれを選ぶかによってトータルコストは大きく変わります。
けん引免許を安く取得する方法
けん引免許の取得費用を少しでも抑えたい場合は、次のポイントをチェックしてみてください。
合宿プラン+キャンペーンを狙う
けん引免許は合宿プランを設定している教習所が少なめですが、
見つかれば通学よりもお得なことが多いです。さらに、早割・ペア割などのキャンペーンがあれば
数万円単位で費用を抑えられる場合もあります。
他の大型系免許とセットで申し込む
「大型免許+けん引」「大型特殊+けん引」など、セットコースを用意している教習所もあります。
個別に申し込むよりもセット割でトータルコストが下がるケースがあるため、
いずれ取る予定の免許があるなら一緒に検討する価値があります。
教育訓練給付制度の対象講座か確認する
一部の教習所では、けん引免許を含むコースが
一般教育訓練給付制度の対象講座になっていることがあります。
対象であれば、受講料の20%(上限10万円)がハローワークから支給されるため、
実質負担を抑えることが可能です。
制度の詳細や条件は、教育訓練給付制度の解説ページも参考にしてください。
技能試験のポイント|方向変換とS字に慣れよう
けん引免許の技能試験では、「車がどちらを向いているか」ではなく「トレーラーがどちらに曲がるか」
を意識する必要があります。最初は違和感がありますが、コツをつかめば安定して走れるようになります。
方向変換(バック)のポイント
- 最初のハンドル操作を誤ると一気に曲がりすぎるので、ゆっくり・少しずつ操作する
- ミラーでトレーラーの動きを常に確認し、「曲がりすぎたら早めに修正」を意識する
- 切り返しは減点にはなるが失格ではないので、無理に一発で決めようとしない
S字・クランクのポイント
- トレーラーの内輪差をイメージしながら、入り口でしっかり外側に振る
- ハンドルは「少し早め」を意識し、ミラーで被けん引車の位置を常にチェック
- 焦って速度を上げない。ゆっくり進む方が結果的にスムーズにクリアできる
安全確認での減点に注意
操作そのものよりも、安全確認不足による減点で点数を落とす人も多いです。
発進前・交差点・進路変更時など、教習所で教わる「お作法」を丁寧に守ることが合格への近道です。
体験談・教習所レビューへのリンク
けん引免許の雰囲気をつかみたい方は、実際に通った人の体験談や教習所レビューも参考になります。
けん引免許に関するよくある質問(FAQ)
- Q. けん引免許の難易度はどれくらいですか?
-
A. 普通車とは感覚が全く違うため、最初は難しく感じる人が多いです。
ただし、教習所でしっかりと練習すれば、数日〜数週間でコツをつかめるレベルです。 - Q. 一発試験だけで合格するのは現実的ですか?
-
A. 不可能ではありませんが、合格までに複数回チャレンジする人が多く、
結果として時間とお金がかかるケースもあります。短期間で確実に取りたい人には教習所ルートがおすすめです。 - Q. けん引免許を取るなら、どのタイミングがベストですか?
-
A. すでに大型・中型などを持っていて、仕事でトレーラーを使う予定があるなら、
職場の環境が落ち着いている時期に一気に取得してしまうのがおすすめです。
けん引免許は、トレーラーを扱う仕事に就く人はもちろん、キャンピングトレーラーやボートトレーラーを
楽しみたい人にとっても大きな自由を与えてくれる免許です。
費用や時間、取得ルートを比較しながら、自分に合ったプランでチャレンジしてみてください。