大型二種免許の完全ガイド|費用・期間・難易度・路上試験のポイント(2025年版)
大型二種免許は、乗車定員30人以上のバスなどにお客さんを乗せて運転するために必要なプロ向けの免許です。
観光バス・路線バス・送迎バス・コミュニティバスなどを運転したい人にとって、避けて通れない資格といえます。
このページでは、大型二種免許の取得条件・費用・必要な期間・難易度に加えて、
技能・路上試験で意識すべきポイントや、教育訓練給付制度を利用して安く取得する方法まで、
初めての方にも分かりやすく解説します。
大型二種免許とは?運転できる車と第一種との違い
大型二種免許を取得すると、次のような車を「お客さんを乗せて」運転できます。
- 観光バス・夜行バス
- 路線バス・コミュニティバス
- ホテル・企業などの送迎バス
- スクールバス など
一方、大型一種免許は「貨物(トラック)用」のプロ免許であり、人を運ぶ営業運転には使えないという違いがあります。
将来的にバス運転手として働きたい人や、転職・Uターン就職を考えている人は、大型一種だけでなく大型二種まで取得しておくと選択肢が一気に広がります。
大型二種免許の取得条件
2025年時点での主な受験資格は次のとおりです(都道府県により細かな運用は異なる場合があります)。
- 年齢:21歳以上
-
運転経験:普通免許・準中型免許・中型免許・大型一種免許・大型特殊免許のいずれかを取得していて、
通算3年以上の運転経験があること - 視力:両眼で0.8以上、かつ片眼でそれぞれ0.5以上(メガネ・コンタクト使用可)
- 深視力:三桿(さんかん)法による検査で、3回の平均誤差が2cm以内
- 色彩識別:赤・青・黄の区別ができること
- 聴力:10mの距離で90dBの警音器の音が聞こえること(補聴器使用も可)
深視力検査は大型・中型・二種免許の大きな関門です。
深視力に不安がある人は、深視力対策のページもあわせてチェックしておきましょう。
大型二種免許取得までの流れ
大型二種も、取得方法は「教習所で取る」か「一発試験」かの2パターンです。
教習所で取得する場合(一般的なルート)
- 教習所に入校申し込み
- 適性検査(視力・深視力・色覚・聴力など)
- 学科教習(旅客運送に関するルールや法令)
- 技能教習(場内+路上教習)
- 卒業検定(場内・路上の最終チェック)
- 運転免許センターで必要な手続きを行い、免許交付
大型一種をすでに持っていると、技能・学科ともに教習・試験の一部が免除されることが多く、
「大型一種 → 大型二種」のステップアップは非常に相性が良いパターンです。
取得にかかる期間の目安
- 通学プラン:仕事をしながら通う場合で、だいたい3〜6週間程度
- 合宿プラン:スケジュールが組みやすければ、2〜3週間前後での取得も可能
繁忙期(3〜4月、夏休み、年末年始)よりも、比較的空いている時期に申し込むと教習がスムーズに進みやすいです。
大型二種免許の費用相場
大型二種の教習料金は、すでに持っている免許によって大きく変わります。
目安としては、次のようなイメージです。
| 所持免許 | 費用の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 大型一種あり | 約30〜40万円 | 技能・学科ともに一部免除で最も有利 |
| 中型免許あり | 約40〜50万円 | 教習時限はやや多め |
| 普通免許のみ | 約50〜60万円 | 技能・学科ともに多く、期間も長め |
上記はあくまで目安であり、教習所や時期によって料金は変わります。
最新の料金は各教習所の公式サイトや資料請求で確認しましょう。
大型二種免許を安く取得する方法
大型二種免許の費用は高額ですが、
次の方法を使うと8〜20万円ほど安く取得することが可能です。
① 教育訓練給付制度を利用する(最大50%・上限25万円または20%・上限10万円支給)←オススメ!
大型二種免許の教習所の中には、厚生労働省の「教育訓練給付制度」対象講座として認定されている学校があります。
この制度には大きく二つの給付金があり、「一般教育訓練」と「特定一般教育訓練」の二つがあります。どちらの制度も、雇用保険に1年以上(条件により2年以上)加入していることが条件になります。また、過去に教育訓練給付金を受け取っている場合は3年以上の間を開ける必要があります。(初回は1年以上の加入があれば利用可能)
【一般教育訓練の場合】
- 支給額:支払った額の20%(上限10万円)
- 条件:雇用保険の加入年数が1年以上
- 手続き:受講後にハローワークで申請
40万円の大型免許が実質32万円になります。
【特定一般教育訓練の場合】
- 支給額:支払った額の50%(上限25万円)
- 条件:雇用保険の加入年数が1年以上
- 手続き:受講前にキャリアコンサルティングを受け、ハローワークで手続き。受講後にハローワークで申請
40万円の大型免許が実質20万円になります。
私が大型二種免許を取得したときは、「特定一般教育訓練給付金」を利用し、31万円ほどの受講料のうち、12万円ほどが返ってきて、実質20万円かからずに取得できました。(当時は最大40%支給だったため)
詳しくはこちら→教育訓練給付金でお得に免許を取ろう!
例えば、教習料金が40万円の場合、最大20万円が戻ってくるため、実質20万円で大型二種を取得できる計算になります。
制度の概要や条件については、教育訓練給付制度の解説ページも参考にしてください。
合宿免許を利用する
同じ教習内容でも、通学プランより合宿プランの方が料金が抑えられていることが多いです。
さらに、短期間で集中して教習を受けられるため、仕事の都合がつく人にはおすすめです。
キャンペーンや割引を活用する
早期申込み割引、ペア割引、卒業生割引など、教習所独自のキャンペーンを利用すると数万円単位で安くなることもあります。
資料請求や問い合わせの際に、「大型二種で使える割引はありますか?」と確認しておくと安心です。
大型二種の技能・路上試験で気をつけたいポイント
大型二種は「第一種よりもさらに厳しく安全確認を見られる」と言われます。
特に次のポイントは減点されやすい部分なので意識しておきましょう。
安全確認の徹底(歩行者・停車車両・自転車)
バスは多くの人を乗せる前提なので、安全確認が不十分だと一気に減点・失格につながります。
ミラー・目視・合図をセットで行う「形」を身体に染み込ませておくことが重要です。
停留所付近の減速と徐行
路上試験では、実際のバス運転を想定した停留所付近の速度調整も見られます。
「乗せていないから関係ない」と思わず、いつでも安全に停車できる速度で走る意識が必要です。
右左折時の大回り・巻き込み確認
大型車特有の内輪差・オーバーハングに注意しつつ、歩行者や自転車の巻き込みを避けるための確認が必須です。
おすすめ教習所・体験談へのリンク
大型二種免許の取得を本気で考えている方は、実際に通った人の体験談や教習所比較もぜひチェックしてください。
以下の記事で、教習所選びのポイントやリアルな感想をまとめています。
大型二種免許はプロドライバーとしてのキャリアを広げる大きな武器になります。
取得を検討中の方は、費用・期間・教習内容をしっかりと比較し、自分に合った教習所と取得プランを選んでいきましょう。